King Adult 180は
6つの目標を掲げています。
すべての人に包摂的かつ公正で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
過去 10 年間で、あらゆるレベルで教育を受ける機会の改善と、特に女性と女児の就学率向上に、大きな前進が達成されました。
しかし、2018年時点で学校に通えていない子どもは 2 億 6,000 万人に上ります。これはその年齢層の世界人口のほぼ5分の1です。また、学校に通えている子どもでも、基本的な識字・算術能力が欠けています。質の高い教育が欠けている理由には、十分な訓練を受けた教員の不足、校舎の劣悪な状況、農村部の子どもに提供される機会の公平性の問題があります。そして、所得による学校教育の修了率の格差や、オンライン教育を受けられない児童・生徒の問題など、新型コロナウイルス感染症により教育面での不平等はさらに拡大する恐れがあります。
都市を包摂的、安全、強靭かつ、持続可能にすること
世界中で現在都市部に暮らしている人の数は約35億人。この数は世界の人口の約半分になります。そして、この数はまだまだ増えていくとみられていて、なんと2030年には世界の人口約3分の2に当たる60%以上の人が都市部で暮らすことになると予測されています。これだけ沢山の人たちが暮らす都市部を地震や台風の自然災害が襲ったら一体どうなってしまうでしょうか?電気やガス、水道といった私たちが生きる為に欠かせないインフラが途絶えてしまったらどうなってしまうでしょうか?密集した都市部は多くの人命が失われるリスクを抱えています。更に、都市部が抱えている問題はそれだけではありません。人が密集する都市部では貧富の差などからスラムと呼ばれる、犯罪の危険性がとても高い地域が生まれる傾向にあります。貧富の不平等が犯罪の動機になり、治安が悪化することによって街が汚染されていくことにもなるという、まさに負の連鎖も起こります。沢山の人たちが健康で快適に住み続ける為に、自然災害にも、人が人に起こすリスクに対しても「強靭(レジリエント)」な都市が必要とされています。
持続可能な消費と生産のパターンを確保する
持続可能な消費と生産のパターンを確保する2050年までに今の生活を維持して世界の人口が96億人に達すると、地球3つ分の天然資源が必要と言われています。持続可能な消費と生産とは、資源効率と省エネの促進、持続可能なインフラの整備、そして、基本的サービスと、環境に優しく働きがいのある人間らしい仕事の提供、すべての人々の生活の質的改善を意味します。持続可能な消費と生産は「より少ないものでより多く、よりよく」を目指しているため、経済活動による正味の福祉向上は、ライフサイクル全体を通じて資源の利用、劣化および汚染を減らす一方で、生活の質を高めることによって促進できます。また、生産者から最終消費者まで、あらゆる人を巻き込みながら、サプライチェーンの運用を大いに重視する必要もあります。
気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る
気候変動の深刻な影響を目の当たりにしていない国はありません。温室効果ガス排出量は増加の一途をたどり、現在では1990年と比較して50%以上増えています。しかも、地球温暖化は私たちの気候システムに長期的な変化を及ぼしており、私たちが今すぐ対策を講じなければ、取り返しのつかない結果となる可能性があります。地震や津波、台風、洪水による被害額は年平均で数千億ドルに上り、災害リスク管理への投資だけでも、毎年60億ドルの投資が必要となっています。この目標は、開発途上国の需要に取り組み、気候関連の災害の軽減に役立てるため、2020年までに年間1000億ドルの投資をすることを狙いとしています。内陸国や島嶼国など、影響を受けやすい地域の強靭性と適応能力を強化する一方で、意識を高め、国の政策や戦略に気候対策を盛り込む取り組みも必要です。政治的な意志と幅広い技術を活用すれば、地球の平均気温上昇を産業革命以前の水準から2℃以内に抑えることができます。そのためには、早急に団結して行動を起こす必要があります。気候変動への緊急対応は、持続可能な開発のための2030アジェンダを構成する17のグローバル目標の一つです。複数の目標を同時に達成するためには、包括的なアプローチが必要不可欠です。
海洋資源を持続的に開発しつつ、生態系を守っていくこと
海洋は私たちにとって重要な環境であり、漁業や観光などは社会、経済発展に不可欠です。この海洋資源を持続的に開発しつつ、生態系を守っていくことは海の豊かさを維持する上では重要な課題となっています。しかし海洋は水質汚染や気候変動にさらされ、環境の悪化や生態系を歪めてしまう状況に陥ってしまっています。海洋汚染はかなり深刻な状況となっています。その原因は様々ですが、8割は陸地からの影響であると言われ、二酸化炭素や農業及び工業排水、未処理の下水や油、栄養塩類、堆積物、海洋ごみなどが陸地から海に流れ込み、悪影響を与えています。他にも漁業や養殖業、製造業、沿岸の観光業、港湾開発など多種多様な活動が海洋汚染に影響しているのです。その海洋汚染は「海洋温暖化」「海洋の酸素欠乏」「海洋の酸性化」といった状態が見られます。
陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する
一言で言うと地球上に生きる動植物、自然全てのつながりのこと。地球上には現在確認されているだけでも約175万種の生物が生息していて、まだ知られていない種類も合わせると3,000万種もの生物がいるとも言われています。これらの多種多様な生物は、全く違う特徴を持っていたりして関わりがない様にも思えますが、実はその多くが直接的にだけでなく、間接的にも関わりあるとされています。また、生物多様性には3つのレベルの多様性があります。生態系の多様性→森、山、川、海など生物の暮らす環境の多様性、種の多様性→人間、動物、植物、そして細菌や微生物まで。全ての生き物の多様性。遺伝子の多様性→同じ種類の生き物でも例えば、てんとう虫でも遺伝子の違いによって形、模様、生態に違いがある。というような遺伝子レベルの多様性。この3つのレベルの多様性が共存することで地球はこれまで持続してきました。でも、今それが壊され始めています。
SDGsとは
「SDGs(エスディージーズ)」とは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称であり、2015年9月に国連で開かれたサミットの中で世界のリーダーによって決められた、国際社会共通の目標です。
このサミットでは、2015年から2030年までの長期的な開発の指針として、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されました。この文書の中核を成す「持続可能な開発目標」をSDGsと呼んでいるのです。